「親はいつも穏やかでいなきゃ」はしんどい。子どもの安心につながるのは「親の感情」より「家庭のルール」?

中高生向け
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【本日のお悩み】
〇「子どもの健全な成長のためには、親の情緒の安定が大切」って聞いたけど、本当?
〇イライラを我慢してると、どうにかなりそう
〇子育てに不安しかない。どうしたらいい?

「子どもの健全な成長のためには、親の情緒が安定していることが大切」
最近、子育てに関する情報を見ていると、こうした言葉を目にすることがあります。
もちろん、親が穏やかな気持ちで子どもと関われることは、子どもにとって大切なことです。

でも、この言葉を見て、
「子どもの前ではイライラしちゃいけないんだ」
「怒ってしまった私は、親としてダメなのかな」
「感情を抑えて、いつも穏やかでいなきゃ」
と、不安になってしまう親御さんもいるのではないでしょうか。

私は放課後等デイサービスで子どもたちと関わる中で、親御さんが「いつも安定した感情でいること」以上に、家庭の中にあるルールが安定していることも、子どもにとって大切なのではないかと感じることがあります。

親だってイライラする。感情をなくす必要はない

子育てをしていれば、イライラすることがあります。

何度言っても約束を守ってくれなかったり、忙しいときに何度も話しかけられたり、兄弟げんかが続いたり。

「今日はもう勘弁して……」と思う日があって当然です。

それなのに、

「親の情緒が安定していることが大切」

と言われると、

「じゃあ、イライラしてはいけないの?」

と感じてしまうことがあります。

でも、親が怒ったり、疲れたり、イライラしたりすること自体が悪いわけではありません。

大切なのは、親が一切感情を乱さないことではなく、感情に任せて、その場その場でルールや対応を変えないことなのではないでしょうか。

 

子どもにとって「毎回違う対応」は分かりにくい

例えば、家庭で、

「ゲームは1時間まで」

という約束をしていたとします。

さらに、

「時間を守れなかったら、3日間ゲームはお休み」

と決めていたとしましょう。

ところが、ある日は子どもが時間をオーバーしても、

「まあ、今日は楽しそうだったし、今回だけね」

となり、別の日には、

「約束破ったんだから、3日間ゲーム禁止!」

となったら、子どもはどう感じるでしょうか。

同じことをしているのに、結果が違います。

もちろん、家庭の事情や子どもの状況によって、ルールを変更すること自体が悪いわけではありません。

問題なのは、親のその日の気分によって、ルールが変わってしまうことです。

「今日はお母さんの機嫌がいいからOK」

「今日はお父さんが疲れているからダメ」

という状態では、子どもは「何をすればいいのか」を予測しにくくなります。

 

「安定した家庭のルール」が子どもの安心につながる

そこで意識したいのが、家庭の中にあるルールを安定させることです。

例えば、

「ゲームは1時間まで。時間を超えたら3日間ゲームはできない」

と決めたのであれば、基本的にはそのルールに沿って対応します。

時間を守れなかった。

→まずは「約束を破った」という事実を確認する。

→そのうえで、子どもに「なぜ時間を守れなかったのか」を説明してもらう。

→その理由を聞いたうえで、親が「それなら仕方がなかった」と納得できるのであれば、改めて対応を話し合う。

ここで大切なのは、「ゲームを3日間禁止にするのをやめてほしい」という子どものお願いを、そのまま聞くことではありません。

子どもが自分の行動について理由を説明し、それを聞いた親が「その理由ならルールを変更してもよい」と判断できるかどうか。

つまり、

「お願いを聞いてもらう」のではなく、「自分の考えを説明して、相手を納得させる」

という経験です。

 

「泣いたからルール変更」では、何が起きる?

例えば、子どもが、

「嫌だ!」

「ゲームしたい!」

「3日間なんて長すぎる!」

と泣き叫んだとします。

そこで親が、

「もう、うるさいから……。じゃあ今回はOK」

としてしまう。

親としては、その場を収めるための苦渋の選択かもしれません。

でも、子どもからすると、

「大きな声で泣いたり怒ったりすれば、ルールを変えてもらえる」

という経験になってしまう可能性があります。

もちろん、子どもの気持ちを受け止めることは大切です。

「ゲームしたかったよね」

「3日間できないのは嫌だよね」

と気持ちに寄り添うことと、

「だからルールを変える」

ことは別です。

気持ちは受け止める。でも、ルールはルールとして扱う。

この線引きが大切なのではないでしょうか。

 

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「ルールを守る」は、社会で生きる練習でもある

私たちの生活には、家庭の外にもたくさんのルールがあります。

例えば、バスの時間に遅れたら、バスに乗れないことがあります。

「今日は寝坊したから、バスを待っていてください」

と、バスが特別に待ってくれるわけではありません。

もちろん、社会には事情を考慮してもらえる場面もあります。

でも基本的には、

「決められたルールや時間の中で生活する」

ということが求められます。

家庭のルールも、そうした社会生活の練習のひとつと考えることができます。

「ルールがあるから守る」

「納得できないなら、その理由を説明する」

「説明したうえで、相手と話し合う」

「話し合った結果を受け入れる」

こうした経験は、子どもが成長して社会の中で生活していくうえでも役立ちます。

 

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「ルールに不満を持つこと」は悪いことではない

ここで、もう一つ大切にしたいことがあります。

ルールに不満を持つこと自体は、悪いことではありません。

「3日間ゲーム禁止なんて嫌だ!」

と思うのは当然です。

むしろ、

「どうして3日間なの?」

「時間を守れなかったのには、こういう理由があった」

「このルールは厳しすぎると思う」

と、自分の考えを伝えられることは大切です。

親としても、

「そんなこと言うなら、もう決まりだから!」

と一方的に押さえつけるのではなく、子どもの話を聞く。

そのうえで、

「話は分かった。でも今回は約束を破ったことには変わりないから、3日間はゲームを休もう」

と伝えることもできます。

あるいは、子どもの説明に納得して、

「それなら今回はルールを変更しよう」

と親が判断することもできます。

大切なのは、「子どもが泣いたから変える」のではなく、「話し合った結果として変える」ことです。

 

親も完璧じゃなくていい

「親の情緒を安定させる」という言葉に、苦しさを感じている親御さんには、

「いつも穏やかな親にならなくてもいい」

と伝えたいと思います。

イライラする日があっていい。

怒ってしまう日があっていい。

「今日はもう無理!」と思う日があっていい。

大切なのは、親が自分の感情をすべて消すことではありません。

親自身も感情を持った一人の人間として生活しながら、家庭の中では「こういうときは、こうする」という軸を持っておくこと

それが、子どもにとっての分かりやすさや安心につながることがあります。

 

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さいごに

子どもにとって安心できる家庭とは、「親が一度も怒らない家庭」ではないのかもしれません。

親が怒ることもある。

子どもが反発することもある。

親子で意見がぶつかることもある。

それでも、

「我が家では、こういうルールで生活する」

という軸がある。

そして、ルールに疑問があれば、理由を説明して話し合うことができる。

そんな家庭であれば、親子ともに無理をしすぎず、子どもも「自分の行動には結果がある」ということを学んでいけるのではないでしょうか。

親がいつも穏やかでいることを目指すよりも、まずは、

「親の気分で、昨日と今日でルールを変えない」

ことから始めてみる。

それだけでも、子どもにとって分かりやすい家庭の環境をつくる一歩になると思います。

そして何より、親自身も「いつも機嫌よくいなければ」というプレッシャーから、少し解放されていいのではないでしょうか。

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