【エリクソンの発達課題とは】
人は、生まれてから年をとるまでのあいだに、「その時期ならではの心の成長テーマ」があります。
例えば──
・赤ちゃんのときは、「この世界は安心できる場所なのかな?」という感覚が育つかどうか。
・小さい子どもは、「自分でやってみたい!でも失敗しても大丈夫?」という気持ちと向き合う。
・思春期には、「私は何者?どんな大人になりたい?」と悩んだりする。
それぞれの時期に「心の試練」みたいなものがあって、それをうまく乗り越えると、自分らしく成長していけるという考え方です。
人生は長い冒険みたいなもので、ステージごとに「心のボスキャラ」が出てくる。そのボスを倒すと、ちょっとレベルアップして、次のステージを生きる力が手に入る──そんなイメージです。
この「年齢ごとに向き合う心のテーマ」のことを、心理学者のエリク・エリクソンは【発達課題】と呼びました。
青年期の発達課題は「同一性(アイデンティティ) vs 同一性の拡散(混乱)」
青年期は思春期の真っただ中。自身の体の変化を受け入れ、自分の価値観・役割・生き方を探し始める時期です。
「私はどう生きたいのか」「どんな仕事をしたいのか」「誰といると自分らしいか」――そうした問いに向き合いながら、自分なりの“軸”をつくっていきます。
この軸が定まってくると、「これが自分らしさ」と思える同一性(アイデンティティ)が形成されます。
逆に、他人に流されたり、居場所を見つけられないままだと、同一性の拡散=“自分がわからない”状態に陥りやすくなります。
この時期の特徴的な行動として、
・急に反抗的になる
・服装や言葉が変わる
・進路に迷ったり、夢がコロコロ変わる
・「別に」「どうでもいい」が口ぐせになる
などがあります。実はこうした言動は、試行錯誤して「自分らしさ」を探しているサインです。
反抗や無気力に見える行動も、内面では真剣に「自分の正解」を模索していることが多いのです。
親・保護者ができること
この時期、親にとって大事なのは「助言者」よりも「見守り役」になること。
・「それは違う」と決めつけない
・自分の失敗談や悩んだ経験を話す
・口を出す前に、話を聴く
・失敗しても“信じている”姿勢を見せる
子どもが自分で「選び、間違え、立ち直る」経験そのものが、アイデンティティをつくる大切なプロセスです。
同一性の拡散(混乱)が強まると、
・自分の進む道がわからず、不安や焦燥感を抱える
・他人の期待に応えるために“自分を偽る”
・無気力・依存傾向・極端なグループへの傾倒
などが起こってきます。引きこもりや非行は、同一性の拡散が進んだ結果のひとつとも言えます。
でも、親が信頼して見守ることで、子どもは「何があっても帰れる場所がある」と感じ、自分らしい道を探しやすくなります。
(思春期の対応についてはこちらも参照してみてください)
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さいごに
思春期は、子どもが“自分自身”を探す旅に出る時期。その旅路は、親にとってもドキドキで、正直つらいこともあります。
でも、大人ができることは、「こうしなさい」とナビを握るのではなく、見守る灯台のような存在でいること。
どんなに遠くに行っても「ここにいるよ」と照らし続けることで、子どもは自分の軸を見つけられるようになります。
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